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【孤独のぐるまん season1】第9食 『進化したソウルフード』


「は…はは……全く待たせやがる……」

皆さんは『福しん』をご存じだろうか。そう、東武東上線沿線を中心に展開するラーメンチェーン。特に池袋には数多く店を構えている為、上京してすぐに池袋へと住み着いた見澤にとっては、あの『日高屋』以上に馴染み深いお店なのである。


時は少し遡り、2020年11月12日深夜。


いつものように近所の『福しん』でとんこつラーメン大盛りと、1ヶ月500円で毎日餃子が食べられるサブスク餃子をキメようと福しんの前を通りかかったところ、(個人的に)福しんを象徴する(と勝手に思っている)あのソウルフードが看板に出ているではないか!

そう、その名はニラそば。福しんの冬季限定品である。ただし、今回のニラそばは今までは少し、いや、大きく違っていた。


──『選べる辛さ』※5辛以上ご注文の方は、まず5辛からお召し上がりください。──

2020年11月12日深夜。気付けば見澤はニラそば5辛を啜っていた。


時は過ぎ2020年12月27日深夜。

見澤
「ニラそば大盛り、15辛で。あと、餃子を。(大盛りクーポンの付いた前回のレシートを渡す)」

スタッフ
「ええっ?お客さん、本当に食べられるンですかい?」

店長
「いいから黙って作りな!」

スタッフ
「でもこんな辛さ今まで作ったことが……」

店長
「渡されたレシートを見てごらん。」

スタッフ
「(前回のレシートに辛さ増量が14個付いているのを見るなり)ヒーッ!!!!!!!!!しっ…しっ…失礼しましたーッ!!」

店長
「ウチの者が失礼したね。でもアンタ、何処で修業を積んできたンだい?」

見澤
「中本……鬼金棒……楊(やん)。」

店長
「へェ……随分と食(や)ってきたンだねェ……。さて、今日のニラそばはアンタの御眼鏡に適うかねェ?」


見澤
「頂きます………………ッッッ。この力強い辛さ、しかしニラそばの本来の魅力である辛味噌の香ばしい風味とニラのアクセントがちゃんと活きている。つまり……美味い。これぞ、ソウルフード……!!」

店長
「そりゃ良かった。もうすぐ餃子も焼き上がるけど、アンタ何か足りないンじゃないかい?」

見澤
「…………福しんサワーを。」

店長
「あいよ!腹しんサワーね!」

見澤
「ったく、この店長には敵わねェ……。」


福しんのニラそばが始まってから、毎回1辛ずつ地道に辛さを上げて食べていったらいつの間にか15辛まで到達してしまった見澤。
今冬中にどこまで到達できるのか。
いや、その前に月に何回福しんでニラそば食べているのか。
池袋のソウルフードはきっと冬が終わるまで止められそうにないな……辛さ増量が15個付いたレシートを勲章のように胸に掲げ、見澤は思うのであった。





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