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【愛こいそいどい】第2話:こい(恋)は曲者

漫画「ちはやふる」の人気で注目が高まっている、
「小倉百人一首歌がるた」はご存知でしょうか。
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百人一首と聞くと「難しそう」
「よく分からない」とイメージしてしまいがちですが、
実は現代にも通じる「こい(恋)の歌」がたくさん収められていて、
その情熱的で美しい表現力は、
私も仕事をする上でとても参考にしています。


百人一首を大きく分類すると
1.恋を詠んだ歌
2.四季を詠んだ歌
3.日常の気持ちや出来事を詠んだ歌
4.別れの歌
5.旅先で詠んだ歌
などに分類できるのですが、

その中でも「こい(恋)」に関するものが43首と一番多く詠まれています。

今の時代のようにちょっと気になる人や
好きな人ができたからといって
気軽に話しかけることや気持ちを伝えるなどということが
容易くできなかった時代にです…。

当時の人にとって和歌を通じて
自分の気持ちを相手に伝えることは日常的な行いで、
言ってみれば百人一首は
今で言うところのラブレターやブログ、
ツイッターのような役割を担っていたということなのかもしれません。

そんな百人一首の中から、
三十六歌仙という優れた三十六人の和歌の名人の一人でもある平兼盛が詠んで、
劇場版名探偵コナンの「から紅の恋歌」や、
漫画ちはやふるの若宮詩暢クイーンの勝負札として有名な
「こい(恋)にまつわる歌」を一句ご紹介。

忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで
(しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで)

【意味】誰にも言わずに秘めていたのだけれど、
私が恋をしていることは他の人にもわかってしまって
「誰かに恋をしているのですか」と聞かれてしまいました。

ストレートに「あなたのことを想っています」というのではなく、
「周りの人が気付くほどこんなにもあなたのことを想っているんですよ」
ということを遠回しに伝えようとした歌とのことです。

前回の話に出した夏目漱石だったら、
きっと「ふと空を見上げたら星がいっぱいだったので、
あなたにも見せてあげたいと思いました」とでも訳したかもしれませんね。

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